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鍛造包丁とは?

堺の鍛造包丁について

包丁には打刃物と抜き刃物があります。堺で作られる刃物は「堺打刃物」と言われ、その鍛造技術と砥ぎの技術の高さは古くから知られています。

5世紀にこの技術が堺に伝えられ、これは刀の製造に生かされました。その後、南蛮との貿易が始まると刻みたばこを作るときに使用するタバコ包丁の製造を始めます。

この鉄工技術の高さは時の権力者にも認められ、時代が鉄砲を求めるようになると、刀製造とタバコ包丁で培った技術は、鉄砲の製造に投入されることとなります。
江戸時代には幕府が、他の製品との差別化が出来るよう「極堺」という極印を施して専売するようになりました。その流れをくむこの地の包丁は、今でも最高水準の品質を誇る製品となっています。

堺の包丁は鍛冶と研ぎ、そして柄付けの3工程によって作られています。それぞれには熟練の職人が携わるという分業で成り立っています。鍛冶は、地金と刃金を付け合わせる刃金付け、熱せられて形を作った包丁種を時間を掛けて温度を下げる焼きなまし、750度から800度まで温度を上げ水につけて一気に冷却する焼入れを行います。

また水での焼入れは割れが入ったりムラができるリスクもあります。そのリスク回避に油入れを行うところもあります。焼入れは、高い技術力を要するものです。この焼入れの時点では、鉄は硬さは得ることができますが、脆さも伴います。そこでこの工程の後、包丁種を再度炉に戻し160度から180度に上げる焼戻しなどを施します。これによって靭性を得ることができます

鍛造とは読んで字のごとく、「鍛える作業」です。このような工程において鍛えられた鉄は金属分子が隙間なく整列し、粘り気があって強度と剛性、ともに高い鉄になります。

抜き刃物と言われる鋳造のものは、製造過程において空気を巻き込んだり、冷えて固まる工程において内部に小さな空気孔ができます。金属分子の並びも荒く、粘りもありません。そのため脆く、欠けやすく仕上がります。その脆弱さをカバーするために、厚めにつくるなどの工夫が必要となります。鍛造品が工芸製品、鋳造品が工業製品といわれるのは、このような特性にあります。

良い包丁と悪い包丁の違いは、手入れや研ぎにどこまで応えられるかの違いです。粗悪品であれば研いでも金属分子が荒い面しか出てきません。しかし良い包丁は研いでも削っても、キレイに隙間なく整列した金属分子の面が出てきます。しっかりと地金と刃金が接着していますので、どこまでも刃金が顔を出します。

長年にわたって研ぎを続けていると、刃渡りも短くなり全体的に小さくなってしまいますが、それでもしっかりとした切れ味を維持します。これが醍醐味でもあります。

 

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